DFA(Design For Assembly)

Photo by KOUSAKU HIRANO

Design For Assembly (DFA) の特長

●理論最少部品基準による部品数削減 - 製品簡略化 ●組立時間の算出データベース ●組立性評価指数 (DFA指数)による組立性評価
DFA理論の最大の成果の一つは、理論最少部品数を定義したことです。 以下の質問のいずれかに該当すると、その部品は削減できない必要部品と判定されます。 その他の全ての部品は理論上、削除可能か、もしくは必要部品と一体化できます。

1. その部品は、他の部品に対し相対的に動きますか?

例:シリンダー内のピストン

2. その部品は、他の部品と異なる材料にしなければなりませんか?

例:ケーブルのコネクタ 、センサ

3. その部品は、組立や分解のために他の部品と分けておく必要性がありますか?

例:乾電池などを交換するため蓋、部品のカバー
もし、上記の基準のいずれにも該当しないのに、設計上、別部品とする必要がある場合には、設計者は「なぜ別部品にする必要があるか」その理由の説明が求められます。 このようにして、DFA手法により、部品の一体化を進めることにより部品点数が最少化し、組立コストの低減が可能になります。 「理想的な」製品とは理論最少部品で構成される製品を指します。 この理想の製品に対する現行製品の組立性を示す評価基準であるDFA指数は、自社製品の設計の良し悪し(組立のしやすさ)を評価する指標として利用することができます。以下に、DFA指数によるベンチマーキング測定により自社製品の設計を改善し、競争力を強化したモトローラの事例を紹介します。
DFAは、設計を「相互に関連した部品と機能の集まり」として捉え、不要な部品を識別し、組立時間とコストを定量的に算出します。 設計者は、経済的に可能な限り多くの機能を1つの部品に組み込むことにより、機能的で組み立てが容易な製品を実現します。 DFAベースの設計の最大の利点として、部品コストの削減、品質と信頼性の向上、開発期間の短縮があげられます。

■DFA による設計の利点

製造コストの80%は、設計の初期段階で決定されるといわれています。 設計の初期段階で、製造コストの情報に基づいて設計を行うことができれば、その後の設計変更に伴う、高価な修正を避けることができます。

■組立難易度の評価

DFAにより設計した製品の組立難易度を評定値で知ることができます。ソフトウェアにより – 部品をどのように掴み、組付方向を決め、移動、どのように挿入、固定されるか? – その方法に応じて各部品の組立難易度が評価されます。

■意思決定のためのレポート機能

DFAは、社内の合意形成と意思決定のために客観的な情報を提供します。 採用可能な設計の選択肢を検討した上で、最も効果的な設計を選択することができます。アフターサービスや営業部門など、他部門から製品に対する要求事項をレポートに取り入れることができます。

■既存製品のベンチマーキング(競合分析)

組立効率性の尺度であるDFA指標により、既存の自社製品や競合製品に対する定量的な比較を通じて、設計代替案の検討を行うことができます。 DFAソフトウェアは、製品の寸法や複雑さに依存しない客観的な組立効率性の基準を提供します。

■設計レビューに対応

DFA分析は、分析を通じて得られた改善を検証、設計の進捗度合いを検証することができます。余分な部品、工程を削減し、難しい組立工程を改善することにより、組立効率性(DFAスコア)が著しく向上します。

■設計と製造の統合

DFAにより、製品に使用する材料や製造コストの観点から設計の最適化をはかることができます。DFAとDFMを同時に使用することにより、設計者は、費用対効果の高い部品加工工程を選択することができます。

■容易な導入とレポート機能

既存のCADモデルや部品表をDFAにインポートすることができます。 DFAにより複数の設計オプションの組立コストを比較し、DFAのレポートとグラフ機能により結果を表示することができます。 DFAを体系的に使用するにより、革新と創造性の新たな扉を開き、製品設計の実務の総体的な改善を実現します。

■Design For Manufacture (DFM) との連携

DFAは、Design For Manufacture(DFM)を補完します。設計者は、DFAにより部品を統合し、製品の組立コスト削減に取り組んだ後、DFMソフトウェアによって、部品統合により増加した部品の製造コストを算出することができます。 DFMとDFAを同時に使用することにより「部品を統合するかどうか」を組立と加工の両方の観点から検討し、数字により裏付けられた決断を下すことができます。 設計の初期段階で製造コストを検討することができるので、以降の開発計画に対し、重要な基本情報を提供することができます。 さらに、「別の材料、別の加工を用いたらどうなるか」をシミュレーションすることもできます。 たとえば、板金加工、または射出成形で製造した場合の部品費の比較を、総生産量を変えながらシミュレーションすることができます。こうした分析を設計の初期段階で実行することにより、大幅な製造コストとライフサイクルコストの削減を実現することができます。
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